Syllabus
GEIKO Mid-term Studio Program 2026
- 臨海文化実験所 / Liminal Culture Lab
1. 概要 / Outline
「地域をスタジオにした実践型アカデミー」
The Port Town is Our Campus. The Landscape is Our Canvas.
臨海文化実験所は、津屋崎という港町全体をキャンパス、そこに広がる過去・現在・未来の風景をキャンバスとし、文化、観光、芸術、デザイン、建築、音楽、食、自然、地域社会を横断する実践型スタジオプログラムです。
港町は古くから、人・モノ・文化・思想が交差し、新たな文化が生まれる場所でした。「臨海(Liminal)」とは、海辺という意味だけではありません。異なる専門、文化、世代、地域、国を越え、人と人が出会う「あいだ」の状態であり、余白、忘却、空虚、放棄を想起させる「Liminal Space(臨界空間)」です。本プログラムでは、港町という臨界空間において、異質な地域、人々、知が交差し、共同生活、リサーチ、対話、制作、地域実践を通じて文化が立ち上がる条件を探究します。知識や技術を教授することを目的とせず、作品制作に留まらず、文化が育つ環境そのものをデザインすることを教育の中心に据えています。
本プログラムは、オンライン・オフラインのハイブリッド形式での1ヶ月の実施期間を基本とし、最低1週間の現地滞在期間を設定し、希望する方は滞在期間を最大4週間まで延長可能とすることで、参加者の予定に合わせた柔軟な運営を図ります。津屋崎の歴史、風土、人々との関係を素材としながら、それぞれの実践を地域の中で展開します。
コアコンセプト:
分散するキャンパス(Distributed Campus)
開かれたファカルティ(Open Faculty)
創発するカリキュラム(Emergent Curriculum)
2. 教育目標 / Learning Objectives
参加者は、地域文化を深く観察し読み解く力、異分野との協働力、文化プロジェクトを企画・実践する力、フィールドリサーチ能力、批評的思考力、地域社会との協働を通じた実装力を身につけることを目指します。
リサーチから観光・文化コンテンツの構想・プロトタイプを制作し、概念検証(PoC)を通じて、アイデアの実現可能性と社会的価値を検証します。
成果物を地域・外部に向けてプレゼンテーション・展示します。
インプットからアウトプットの一連のプロセスは個別活動としてではなく、共同生活や地域との関わり、多様なファカルティや参加者との協働を通じて共有された学習環境の共創として捉えます。固定化されたカリキュラム、模擬的なコースではなく、自然界のリズム、社会の混淆を捉え、ジャムセッションのように観察・対話・実験・制作を繰り返しながら、文化が立ち上がる環境そのものを共創することを目指します。
修了者には「GEIKO Program Certificate」が授与されます。また、全プログラム参加者共通コミニュティである「GEIKO Communitus」へ登録され、今後のAIR(有償・無償)、メンター、リサーチプロジェクト、イベント等への参加資格が得られます。
3. 学習方法 / Studio Model & Schedule
座学中心の教育ではなくスタジオ型教育を採用します。一般的な講義は行わず、必要に応じて一部ケーススタディを導入します。ファカルティ(教員)は一方向的に知識を教えるのではなく、共同実践者、メンター、批評者として参加します。プログラムディレクター(PD)、コミュニティマネジャー(CM)が参加者の活動を伴走支援します。
オンラインでのグループセッション、個別セッションと現地滞在を組み合わせたハイブリッド形式で行います。現地滞在中の日々は、滞在期間に応じて柔軟にスケジュールを組み、地域を歩き観察するフィールドワーク、共同制作を行うスタジオワーク、食事や対話を通じて交流するコモンズ、そして振り返りと記録という循環によって構成されます。歴史的建築、空き家、路地、海、山、住民との対話など、地域全体が教材となります。
4. プロジェクト提案・実行 / Project Proposal & Impelementation
参加者は滞在期間中に一つ以上のプロジェクトを実施します。プロジェクト提案は各参加者の関与度合いに応じて、参加前又は参加後のいずれかの段階で行います。成果は展示やライブ、インスタレーション、出版、ZINE、映像、サウンド、ツアー、ワークショップ、建築実験、地域プロジェクトなど形式を問いません。重要なのは完成品だけではなく、地域との対話や試行錯誤のプロセスそのものです。期間中には地域住民や学生、旅行者も参加できる公開プログラム(オープンスタジオ)を実施し、成果を共有します。
本プログラムは、公募参加を基本としながら、文化庁日本博事業との連動を図り、招聘も行います。公募参加者・招聘参加者ともに、文化庁日本博事業での出演・出展を行う場合は、プロジェクト内容・予算に応じて出演謝金、制作支援費および旅費を支給します。公募参加者は招聘参加者と同じスタジオで共同制作や共同研究を行います。この二層構造により、人材育成と文化創造を一体的に実現します。
5. 運営体制 / Oroganization & Faculty
九州大学大学院芸術工学研究院(芸工):教員のコアファカルティとしての参画に加え、デザインリサーチ、教育効果の評価、共同研究、学術的な知見の蓄積を担います。
合同会社藝航:プログラム企画運営、ゲスト講師・地域コーディネート、制作支援を担当し、大学・地域・ゲスト・参加者をつなぐ実践の場を形成します。
6. 開催要項 / Program Details
内容:地域と協働しながら新しい文化・観光コンテンツを実験的に創出する
成果物:観光・文化コンテンツ開発、展示企画、概念検証(PoC)、イベント等
期間:1ヶ月(ハイブリッド形式・最低1週間滞在)
実施時期・回数:
第1回 2026年11月8日(日)〜12月6日(日)※コアウィーク2026年11月22日(日)〜11月29日(日)
第2回 2027年1月17日(日)〜2月14日(日)※コアウィーク2027年1月31日(日)〜2月7日(日)
全2回
運営体制:プログラムディレクター1名、コミュニティマネージャー1名(共通)、コアファカルティ1名、ゲストファカルティ1〜2名(各回)
対象・定員:国内外のアーティスト、デザイナー、建築家、音楽家、映像作家、編集者、研究者、起業家等(個人応募可、共同制作前提のチーム参加を推奨)。各回20名(最少催行10名)
参加費(税込):12.5万円/1週間(宿泊費・夕食代込み)希望者は追加料金で最長4週間まで滞在延長可
2週間15万円、3週間17.5万円、4週間20万円
会場:旧玉乃井旅館、旧田中薬局等
宿泊施設(候補):津屋崎町内宿泊施設(正直亭等)

